
今回はローリング・スト−ンズ。おそらく僕がもっともあこがれ、手本にしているアーティストだと思います。彼らのファンになった瞬間というのは僕にとってはすごく印象的で、忘れられないものです。あれは高1の終わりのある日。テレビのニュースを見るとローリング・スト−ンズの最新ツアー(リックス・ツアー)の模様が流れていました。ちょうどミックが新曲"Don't Stop"を歌っていました。そのメロディーを聴いて僕は何かを感じました。そしてそれから確か一週間もたたないうちに、彼らのベスト版を買い、そして彼らのライブのチケットまでとってしまったのです。いまだに忘れません。
それというのも、それまで僕はビートルズしか聴いてませんでした。というよりはビートルズ以外で感動したことがありませんでした。大げさに聞こえるかもしれないですが本当なんです。知らないうちに心の外側に他のものを受け付けないバリアができていたのかもしれません。ビートルズ以外を好きになったら僕じゃないみたいな、確かにそんな気持ちがあった気もします。でもそのころビートルズにあき始めていたのも事実でした。そりゃ、高々220曲弱しか出していないアーティストを10年も聴いていたらさすがにあきますよ。そんな中で出会ったのがストーンズでした。
ビートルズ以外まともに聞いてこなかった僕の心にすっと入ってきたんですから、この出会いには運命を感じずにはいられません。そして、彼らには感謝しなくてはならないのです。彼らのおかげで、多少なりとも他のアーティストを聞くようになったのです。彼らのおかげでブルースも聞くようになりました。彼らに出会ってなかったらジミヘンにも出会ってなかったかもしれません。
ビートルズは偉大です。セールスもそうだし、音楽的に見てもコード進行とかまさに芸術の域です。対してストーンズは”偉大ではない”ところがある意味最大の魅力である気がします。いまだに3コードのロックンロールやってるし、裁判沙汰にも何回もなってるし、流行に流され音楽性が定まらないときもあった。それでも泥臭く生き残り、ここまで第一線でやってきた。それが何ともかっこよく、そこはある意味”偉大”だと思うのです。ビートルズは”神”ですがストーンズはどう見ても”人間”です。人のきれいなところも汚いところも全て見せてくれます。この人間くささに何とも言えない魅力を感じます。ここまで対照的だから意外と素直に受け入れられたのでしょうね。
まぁストーンズは偉大じゃないなんてえらそうなこと書きましたけど、あそこまで黒人音楽を尊敬していたアーティストはデビュー当時はほぼ皆無だったし、それは演奏にもはっきりと表れていたし、流行に流されたというのも、見方を変えればうまく最新の流行をとりいれたということだし、それはそれだけバンドのキャパが広いということを示しているとも言えるかもしれません。あと!ストーンズのカバーでのアレンジ力は超一級だと思います。"Some Girls"に入ってる"Just My Imagination"とか聞いてみてください。そのあと、テンプテーションズの原曲を聞いてみてください。きっと”これが同じ曲!?”てなると思います。一体どうしてこんなアレンジになるのか…しかも僕は断然ストーンズバージョンの方がいいと思うのです。
こうしてバンド全体としてストーンズを見ても楽しいのですが、やはりこのバンドの二枚看板、ミックとキースは個人としても魅力にあふれています。まずはなんといってもギタリスト、キース・リチャード。僕が一番目標としているギタリストです。かっこいい。とにかくかっこいい。決してうまくないのにかっこいい(笑)。うまくないとは言いますが実はカッティングとかは国宝級のレベルです。この辺のさりげないところですごいもんを持っているっていうのがたまらないんです。もちろんリフ作りも天才的です(さすがに最近は陰りが見えるけど)。オープンGのリフもワンパターンだけど、あれはキースの発明だからいいんです!ロック史上に残る発明なんですから、何回使ったっていいんですよ。
そしてそしてボーカリスト、ミック・ジャガー。かれも非常に尊敬するアーティストです。彼を前で変な踊りをしている変なおじさんだと思ったら大間違い。実は彼はステージを降りればすごい紳士だというのをご存知ですか?僕はあのステージでのアクションはかなり計算されたものだと思っています。そしてその計算の中に少しでもお客さんを楽しませたいというミックの真心を僕は感じています。彼は観客から自分がどう見られているかを常に考えている気がします。僕は今バンドでボーカルもしていますが、歌における表現の大切さは彼から教わった気がします。それにどんな派手なアクションをしてもミックみたいな人がいると思えば余り恥ずかしくないんです。
テクニックとか理論とかそんなんでは測りきれない何かがあるストーンズ。”ホントに?”て思う人は70年代の絶頂期のライブを見てみてください(最近のじゃなくて)。ぶっとびますよ。一つマイクで歌うミックとキース…怖いくらいのオーラです。